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Home > ぶどうに致命的な病気を引き起こすバクテリア、フランスでも見つかる 【フランス】 2015年7月30日 近年カリフォルニアで、ぶどうに致命的で深刻なダメージを与えている病気にPierce’s Disease(ピアース病:PD)があります。この病気には今もって有効な対策がなく、現代のフィロキセラとも言われています。 カリフォルニアのPDは、Xylella fastidiosaというバクテリアがGrassy-winged sharpshooter(GWSS)というウンカのような昆虫によって媒介され、感染したぶどうは死に至るという恐ろしい病気です。 その原因となるバクテリアXylella fastidiosaは、ぶどうだけではなくほかの果樹類にも感染し、大損害を引き起こしていますが、これまでのところアメリカで封じ込められていると見られていました。 ところがこのバクテリアがフランス・コルシカ島のオリーブ畑から見つかりました。これはその18か月前にイタリア・プーリア(Puglia)で見つかって以来のことです。 この報告を受け、Europe’s plant protection organisation (EPPO)はバクテリアが拡散していると判断し、緊急的な駆除対策をコルシカ島で実施しています。 というのもピアース病は根治策がなく、その蔓延はかつてのフィロキセラ禍のような、ヨーロッパのワイン産業、しいてはワイン消費者に大きな影響を及ぼす可能性があるためです。 1990年代後半にPDの大発生が確認されたカリフォルニアでは当初、10年以内にカリフォルニアのワイン産業は壊滅するとまで言われました。今も年間1億ドル(120億円)を超える被害がPDの感染から発生しています。 現在のところ、イタリアとコルシカで発見されたXylella fastidiosaの媒体は特定されていませんが、植物の樹管にアクセスをするすべての昆虫を、潜在的な宿主として警戒するとしています。 フランス政府は、現在のところ感染拡大のリスクは低いとしていますが、EU委員会は、このバクテリアの存在はEU諸国にとって大きな脅威だと述べています。 Pierce’s Disease(ピアース病)は、1892年にNewton B. Pierce博士がカリフォルニアで発見したことから命名されています。 (伊藤嘉浩)
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